パウロ書簡の終末論の「イエス・キリストの像」におけるGen 1:26–27の役割

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タイトル別名
  • The role of Gen 1:26–27 in the "image of Jesus Christ" in Pauline eschatology
  • パウロ ショカン ノ シュウマツロン ノ イエス キリスト ノ ゾウ ニオケル Gen 1 26 27 ノ ヤクワリ
  • パウロ書簡の終末論のイエスキリストの像におけるGen 126 27の役割

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抄録

パウロ書簡の中にはパウロ書簡以外の新約聖書にはほとんど出てくることのない「イエス・キリストの像(εἰκών)」という特徴的な概念が数回出てくる(Rom 8:29 ; 1Cor 15:49 ; 2Cor 3:18 ; cf. Phil 3:21)。この言葉の七十人訳聖書(以下LXXと表記)の背景として、しばしば引き合いに出されるのがGen 1:26にある神の宣言や、Gen 1:27にある神の創造行為の記述である。しかしながら、その用語(εἰκών)と、その用語を使用した類似する思想が語られているという共通点が存在しながらも、従来の研究ではパウロ書簡がGen 1:26-27を実際に取り上げていると判断するまでには至っていない研究状況が存在している。 本研究では、従来注目されることが少なかったパウロ書簡におけるκύριοςのキリスト論的な重要性に注目することで、第二神殿時代のユダヤ教・古代キリスト教の背景と比較した時、特徴的なパウロの終末論の中で語られる「イエス・キリストの像」の背景にGen 1:26-27の釈義的影響が存在することを論じる。

収録刊行物

  • 基督教研究

    基督教研究 83 (2), 19-43, 2021-12-17

    基督教研究会

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