サンドブラストによる下地処理が塗装木材の耐候性能に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of sandblasting surface preparation on weatherability of coated wood

抄録

木材表面の粗面化処理は木材保護塗料の塗布量を増加させ,塗装木材の耐候性能を向上させることが知られている。そこで,木材表面への下地処理としてアルミナ系投射材を用いたサンドブラストを施し,表面性状や塗装木材の耐候性能に及ぼす影響を検討した。また,下地処理の加工速度および耐候性能への影響について,短パルスUVレーザを用いたインサイジングと比較した。スギ心材の柾目面を対象にしたところ,ブラスト処理によって軟質な早材部が主に研削され,投射材の粒度が大きい程顕著に粗面化された。塗布量は粗面化された早材部の算術平均高さSaと高い正の相関が認められた。促進耐候性試験の結果,塗装木材の耐候性能は塗布量に支配的に影響され,粒度#24の投射材を用いた場合,未処理材の4倍程度の期間95%以上の撥水度を維持可能であった。また,同程度の耐候性能を得るための処理時間は,ブラスト処理の方がUVレーザインサイジングに比べて優位である可能性が示された。以上の結果から,サンドブラストによる下地処理は塗装木材の耐候性能を向上するために有効であることが明らかになった。

収録刊行物

  • 木材保存

    木材保存 49 (5), 190-200, 2023

    公益社団法人 日本木材保存協会

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