糖類・糖アルコール類が非加熱食肉製品(ラックスハム)の湿塩漬過程で果たす役割について

書誌事項

タイトル別名
  • Role of sugar and sugar alcohols in the wet-curing process of unheated meat products in Japan

抄録

<p>グルコース,ソルビトールは塩漬剤として日本の非加熱食肉製品製造に使用される.しかし,これらを製品製造時に添加する理由は明確ではない.本研究は,これらの糖類を用いて作られた非加熱食肉製品について製造途中での組織化学的観察ならびに熱分析などを行い,その添加効果についての理解を深め,最終製品の品質の管理に利用することを目的に実施した.15%(w/w)食塩を使用し,15%(w/w)グルコース,あるいはソルビトール,または糖類などを使用せず,0.12%(w/w)乳酸,0.1%(w/w)アスコルビン酸ナトリウム,0.07%(w/w)亜硝酸ナトリウムをそれぞれ使用した3種類の調味液による湿塩漬法にて,1週間の塩漬を行った.すべての試験区で経時的に筋線維の膨潤が見られ,筋線維の真円度も増加した.熱分析測定の結果は,糖類を添加することで低温での塩の析出を抑制し,より効率良く塩漬工程を経ることならびに凍結製品の解凍後の品質維持にも寄与している可能性が示された.</p>

収録刊行物

  • 日本畜産学会報

    日本畜産学会報 94 (4), 433-440, 2023-11-25

    公益社団法人 日本畜産学会

参考文献 (16)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ