解熱後の意識障害で来院した劇症1型糖尿病の1例

DOI
  • 杉中 宏司
    戸田中央総合病院 救急科 青梅市立総合病院 救急科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of fulminant type 1 diabetes mellitus visiting the hospital with the chief complaint of disturbance of consciousness after the resolution of fever

抄録

<p>今回われわれは, 解熱後の意識障害を主訴に来院した劇症1型糖尿病の1例を経験した。症例は, 50歳代の女性。1週間の発熱の後, 嘔気と下痢, さらに異常行動が出現し, 救急搬送された。既往はなく, 来院時, 時折つじつまの合わない発言があった。身体所見では明らかな項部硬直, 脳神経症状はなく, 腹部全体に軽度の圧痛があった。動脈血ガス分析は血糖値1,013 mg/dL, pH 7.18と代謝性アシドーシスを呈していた。頭部CT, 体幹部CTではとくに異常はなく, 劇症1型糖尿病による糖尿病性ケトアシドーシス疑いで緊急入院した。入院後の追加検査で診断基準を満たしたため, 劇症1型糖尿病と診断した。補液とインスリン治療で速やかに意識レベルは改善した。劇症1型糖尿病は, 既往に糖尿病の指摘がない患者が高血糖によるさまざまな症状で来院するため注意が必要である。救急外来では意識障害の程度にかかわらず, 速やかに血糖測定を行うのが肝要である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390298610032133120
  • DOI
    10.24697/jaamkanto.44.4_334
  • ISSN
    24342580
    0287301X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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