料理の潜在的次元に向かって

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書誌事項

タイトル別名
  • Toward the Potential Dimension of the Cooking
  • Creation of a "New Plate" and Search for "Deliciousness" in a Peruvian Contemporary Cuisine Restaurant
  • ペルーの現代料理レストランにおける「新しい料理」の創造と「おいしさ」の探究

抄録

<p>本論は新たな料理がどのように創造されるかという問いに対して、ペルーの現代料理レストランにおける料理の試作の過程、特に素材や調理法が組み合わされる過程について、「おいしさ」の探究という観点から検討することで、取り組む。現代料理とはレストランの位置する場所の自然と文化の前衛的な解釈を試みる料理のスタイルであり、ペルーの現代料理レストラン、セントラルでは日々新しい料理を生み出そうと試作が行われている。新しい料理がどのように作られるかという問いについては、これまで食の人類学が検討してきた。そこでは基本的に、新たな食材などについて、それをそれぞれの食文化におけるおいしさのルールに基づいて調理することで新しい料理が生まれるという考え方があった。だが、新しい料理を作る過程そのものについては検討が不十分であった。そこで本論は、新しいものを作る過程を考察してきた創造の人類学に目を向ける。その検討からは(1)創造の過程はブリコラージュ的なものとして断片的に例示されてきたが、その過程の全体は実際にはどのようなものか、(2)料理を作る上でおいしさは重要なルールをなすが、食材の性質に応じながらおいしさを実現するような即興とはどのような過程か、という2つの具体的な問いを考える必要が浮かび上がる。本論はセントラルの試作の過程に対する民族誌的調査から、これらの問いに答えることを目指す。</p>

収録刊行物

  • 文化人類学

    文化人類学 88 (2), 195-214, 2023-09-30

    日本文化人類学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390298621111745024
  • DOI
    10.14890/jjcanth.88.2_195
  • ISSN
    24240516
    13490648
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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