サッケードのトリガー神経回路と固視の神経回路

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タイトル別名
  • Neural Circuits for Saccade Initiation and Fixation

抄録

<p> 脳幹縫線核にあるオムニポーズニューロン(OPN)は,固視の間,持続発火をするが,サッケードの直前とサッケード中に発火を停止する.この部位の電気刺激でサッケードの発現が抑えられることから,固視の際,対象へのサッケードを抑制していると考えられた.サッケードの開始に際してこのオムニポーズニューロンを抑制するニューロンを同定するため,サッケードの司令中枢である上丘からOPNへの入力パターンを,細胞内記録法および染色法を用いて調べたところ,上丘頭側部から興奮,尾側部から抑制があることがわかった.さらに上丘からの抑制は抑制性バーストニューロン(IBN)を介していることを切断実験により証明した.IBNがOPNを抑制するニューロンであることが同定され,これまで考えられてきたような,サッケードをトリガーする特別な信号が存在するのではなく,サッケードドライブ系の一部であるIBNを介してサッケードが起こることが明らかとなった.</p>

収録刊行物

  • 神経眼科

    神経眼科 40 (4), 390-398, 2023-12-25

    日本神経眼科学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390298742738480896
  • DOI
    10.11476/shinkeiganka.40.390
  • ISSN
    21882002
    02897024
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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