多項目自動血球分析装置XRシリーズの体液モードの評価と異型細胞検体の検討

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タイトル別名
  • Basic study and examination of atypical cell samples in the body fluid mode of the XR-Series Automated Hematology Analyzer

抄録

<p>近年,髄液・穿刺液検査では技師間差の軽減,簡便かつ迅速に報告できることから,自動分析装置が使用される頻度が増している。今回,我々はシスメックス株式会社より新たに開発された多項目自動血球分析装置XRシリーズを評価する機会を得,その体液モードの基礎性能評価と異型細胞検知能,新規機能である3次元スキャッタグラムと出現細胞との関連性を検討した。実効感度,希釈直線性,目視鏡検法およびXNシリーズ(シスメックス株式会社)との相関性は良好な結果で,XRシリーズは体液検査の遂行に十分な性能を有していると考えられた。測定値を用いた異型細胞検知能の検討において,単項目ではHF-BF#(研究用項目)が最も有意であった。2次元スキャッタグラムの特徴量を定義した項目では,異型細胞判別に有意な項目が得られ,測定値(HF-BF#,LY-BF%:研究用項目)と組み合わせると,さらに検知能が向上した。3次元スキャッタグラムの検討では,異型細胞検体のWDF(EXT)スキャッタグラムの特徴として異型細胞と推察される集団がFSC(前方散乱光強度),SSC(側方散乱光強度),SFL(側方蛍光強度)が共に中値から高値の領域にプロットされていた。特に核酸量を反映するSFLは,核クロマチン増量が認められた異型細胞は中値から高値を示したが,中皮細胞や組織球では低く,違いを認めた。今後,スキャッタグラムの特徴量や3次元スキャッタグラム所見の知見の蓄積による,異型細胞検知機能の搭載が望まれる。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 73 (1), 31-53, 2024-01-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390298919730963712
  • DOI
    10.14932/jamt.23-49
  • ISSN
    21885346
    09158669
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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