硬化性萎縮性苔癬を背景に生じた外陰部有棘細胞癌の3例

書誌事項

タイトル別名
  • Three cases of vulvar squamous cell carcinoma with lichen sclerosus et atrophicus

抄録

<p>症例1:50代女性。症例2:40代女性。症例3:60代女性。初診の2~5年前から陰部に痒みやびらんの自覚があり,小陰唇または大陰唇に2~4 cm大の結節を生じた。いずれも周囲の外陰部粘膜に白色硬化性の変化を伴っていた。生検で結節部は有棘細胞癌(SCC)の所見であったため,全摘を実施した。腫瘍周囲の皮膚には表皮の萎縮,表皮真皮境界部の液状変性,真皮浅層のリンパ球浸潤,膠原線維の膨化・増生などを認めたことから,硬化性萎縮性苔癬(LSA)に生じたSCCと診断した。外陰部のLSAはSCCの発生母地になり得る。本邦からの報告をまとめたところ,LSAを発症してからSCCと診断されるまでの年数は1~30年と幅があった。また,残存LSAからのSCCの再発の報告も存在した。SCCの再発防止およびLSAの症状緩和目的に,QOLを保つ範囲でLSAも可能な限り同時に切除するのが望ましいと考えた。またLSAを完全切除した場合も,長期的な経過観察が必要である。</p>

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