<研究ノート>初期段階の日本語指導と課題: 読み書き能力の向上を目指して

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  • <Research Notes>Japanese Language Instruction in the Early Stage: Aiming to Improve Reading and Writing Skills

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抄録

第2言語である日本語で学習する児童の読み書き能力に課題があることは知られている(楠ほか2019;菅原・齋藤2016)が、日本語指導の方法に関する研究は少ない。本研究では、外国人児童の日本語学習上の課題を、教育する側から改善できないか検討する。本稿では、子どもの読み能力に関係している音韻意識が、初期段階の読み書き指導の過程で、どのように育成されているのか明らかにする。公立小学校における初期指導の担当教員に半構造化インタビューを行い、児童の日本語習得状況についても評価してもらった。その結果、日本語指導プログラムの「日本語基礎」と「読む」「書く」指導が中心に行われており、そのなかで、文字習得が進まない児童の存在が明らかになった。本稿では、初期段階の日本語指導で「聞く」指導が手薄になっていることを指摘し、外国人児童のレディネスとして、日本語の音声を分析的に聞く耳を育てる工夫が必要であることを述べた。

収録刊行物

  • 国際日本研究

    国際日本研究 16 117-131, 2024-03-15

    筑波大学人文社会科学研究科国際日本研究専攻

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