プラスチック汚染に関する国際合意の国内実施に向けたステークホルダー協働—ガーナ,インドネシア,ベトナムにおけるマルチステークホルダーパートナーシップの分析—

  • Asokan Vivek Anand
    公財)地球環境戦略研究機関 持続可能な消費と生産領域 研究員
  • Ohtani Takashi
    前 東京大学 未来ビジョン研究センター グローバル・コモンズ・センター 特任研究員
  • Hotta Yasuhiko
    公財)地球環境戦略研究機関 持続可能な消費と生産領域 ディレクター

Abstract

本稿は,ガーナ,インドネシア,ベトナムの3 カ国でプラスチック汚染対策のためのステークホ ルダー協働の制度化に,「中心的なアクター」と しての役割を果たしたと考えられるナショナル・ プラスチック・アクション・パートナーシップ (NPAP)について,著者らが実施した調査・分析 に基づいている(Asokan et al., 2023).NPAPは, 世界経済フォーラムのイニシアティブであるグ ローバル・プラスチック・アクション・パート ナーシップ(GPAP)の一環として各国単位で形成 されたイニシアティブである.本研究の目的は, このNPAPの事例を通じて,プラスチック汚染対 策のステークホルダー協働の仕組みについて分析 し,現在合意に向けた交渉が行われているプラス チック汚染に関する法的拘束力のある国際文書 (international legally binding instrument on plastic pollution:以下,ILBI)(UNEP, 2023)の国内実施プ ロセスに対してどのような政策的な示唆があるか を示すことである. 本稿では,第2節で,プラスチック汚染対策 とステークホルダー協働の関係性を考察したう えで,GPAP/NPAPの出版物のレビュ ーと,各国 NPAP関係者へのインタビュ ーに基づいて,第3 節でGPAPのアプローチ,第4節でNPAPの利点 と課題を指摘し,第5節でILBI国内実施への含意 を示す.

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