後天性脳損傷例におけるMayo-Portland Adaptability Inventory-4 (MPAI-4)日本語版の臨床的有用性

  • 和田 真一
    森山リハビリテーションクリニック 昭和大学医学部リハビリテーション医学講座

書誌事項

タイトル別名
  • The usefulness of the Japanese version of the Mayo-Portland Adaptability Inventory-4 for acquired brain injuries

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説明

<p>MPAI-4は、後天性脳損傷(ABI)患者を包括的に身体、認知、感情、行動、生活、社会面を網羅的に評価できるツールである。患者の協力がなくても評価可能である。近年、日本語版が発表され、その臨床経験から有用性や可能性を報告する。症例1では、治療や支援に非協力的であったABI患者の問題点と強みをMPAI-4で網羅的に明らかにし、チームで適切な支援をする糸口となった。症例2では、異なる環境下での患者側面を把握する際にMPAI-4が共通のフレームワークとして役立った。症例を通じた臨床経験では、MPAI-4日本語版が在宅ABI患者の多様な症状や生活状況を漏れなく包括的に評価でき、多施設・多職種で情報共有し適切な支援方針を統一する上で有用であることが示唆されている。日本語版の妥当性は検討中であるが、今後の展望として、高次脳機能障害者の施設内・施設間連携の標準的なツールとなる可能性がある。</p>

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