環境社会学における自然災害研究の視角――開発・環境・災害の因果サイクルモデルの視点から――

  • 中須 正
    土木研究所 水災害リスクマネジメント国際センター

書誌事項

タイトル別名
  • A Research Perspective on Natural Disasters and Environmental Sociology: Viewpoints on the Cause and Effect Cycle Model of Development-Environment-Disaster
  • カンキョウ シャカイガク ニ オケル シゼン サイガイ ケンキュウ ノ シカク カイハツ カンキョウ サイガイ ノ インガ サイクル モデル ノ シテン カラ

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説明

<p>本稿は環境社会学における自然災害研究の分析視角を提唱し検討するものである。本稿では,その分析視角として,開発・環境・災害の因果サイクルモデルをとりあげ,その分析がどの程度可能であるか,そして有効であるか,検証を試みる。そのためまず,環境社会学においてこれまでどのように自然災害研究が行われてきたのかを述べた後,開発,環境,および災害,の各用語についての本稿の位置づけを示す。つぎに,開発・環境・災害の因果サイクルモデルを使って,1959年の伊勢湾台風災害および2004年のインド洋大津波災害を,一国内のみならず多国間の関係も視野に入れながら分析し,検討する。以上により,つぎの3点,(1)環境社会学は,どのように自然災害を研究できるか,(2)開発・環境・災害の因果サイクルモデルによる事例分析はどの程度有効であるか,(3)環境社会学は,どのように自然災害研究に貢献できるか,について明らかにする。さらに本分析過程を通して,自然災害研究に対して環境社会学が内包している可能性および将来への展望についても論じる。</p>

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