オカラ発酵素材による食後血糖及び血清インスリン値に対する探索的検討

書誌事項

タイトル別名
  • An Exploratory Study of Okara Product on Postprandial Blood Glucose and Serum Insulin Responses
  • オカラ発酵素材が糖代謝に与える影響 オカラ発酵素材による食後血糖及び血清インスリン値に対する探索的検討
  • オカラ ハッコウ ソザイ ガ トウ タイシャ ニ アタエル エイキョウ オカラ ハッコウ ソザイ ニ ヨル ショクゴ ケットウ オヨビ ケッセイ インスリンチ ニ タイスル タンサクテキ ケントウ

この論文をさがす

抄録

<p>【目的】オカラを食用微生物であるテンペ菌で発酵させた発酵オカラ(OT)にバナナを加えたオカラ発酵素材(OTB)を開発した。本研究ではヒトにおいて血糖とインスリンに対するOTB粉末の影響を探索的に検討した。</p><p>【方法】研究デザイン:単群試験。健常ボランティア17名を対象とし,OTB粉末を 10 g添加したヨーグルト(OTB試験食),糖質を同等量とするためにグルコースを 6 g添加したヨーグルト(対照食)をそれぞれ別の日に摂取させ,食前,食後30分,60分,120分の血糖値と血清インスリン値を比較した。</p><p>【結果】 OTB試験食と対照食のいずれにおいても血糖値と血清インスリン値の上昇は小さかった。OTB試験食と対照食の摂取後を比較すると,食後血糖値の上昇には有意な差はなかった(30分値:対照群 92.8±11.6 mg/dl vs OTB群 91.1±11.5 mg/dl)が,30分後のインスリン値がOTB試験食群で対照食と比べ有意に低かった(30分値:30.6±15.3 μU/ml vs 22.1±13.8 μU/mlp<0.01)。</p><p>【結論】 本研究で実施したOTB試験食と対照食のいずれにおいても十分な血糖と血清インスリン上昇をきたさなかったため,OTB粉末がヒトにおける糖代謝改善効果を有するかどうか明確な結果を得ることは出来なかった。食後インスリン値が低いにもかかわらず血糖値が同程度であった点について検証するために,本研究結果を踏まえてプロトコールを再検討した上で実施する必要がある。</p>

収録刊行物

  • 栄養学雑誌

    栄養学雑誌 76 (6), 156-162, 2018-12-01

    特定非営利活動法人 日本栄養改善学会

参考文献 (5)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ