カナダ・オンタリオ州の知的障害者の地域生活への移行における本人中心プランニング――集団処遇的モデルからの脱却としての自己決定支援――

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on Person-centered Planning in the Transition Process of Persons with Intellectual Disabilities from Institutions to Community Homes in Ontario, Canada ――The Support of Self-determination as Departing from the Model of Congregate Settings――
  • カナダ ・ オンタリオシュウ ノ チテキ ショウガイシャ ノ チイキ セイカツ エ ノ イコウ ニ オケル ホンニン チュウシン プランニング : シュウダン ショグウテキ モデル カラ ノ ダッキャク ト シテ ノ ジコ ケッテイ シエン

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抄録

<p>本研究は,カナダ・オンタリオ州における「セントメアリーズ/地域・コミュニティリビング」が知的障害者の地域生活への移行支援において1)本人中心プランニングを行うようになった背景は何か,2)どのように本人中心プランニングを実施したのかを明らかにした.その結果,第一に,背景には1980年代のノーマライゼーション研究者による研修会やピープルファースト運動が大きな役割を果たしていることがわかった.第二に,本人中心プランニングは1)ストレングスモデルによって地域に生きる本人像を構築することが重視され,2)「誰が迎え入れるのか」という相互性に基づくインフォーマルな人間関係の形成が重視され,3)州政府関係者との協議調整を行うことを通して必要な給付金が獲得され,さらにその給付金が個別化され,4)グループホームや福祉的就労といった集団処遇的モデルに依拠するのではなく,居住場所・日中活動・支援者・支援内容といった人生にとって重大な事柄を知的障害者本人が決定する機会が保障されていた.</p>

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 57 (2), 106-118, 2016-08-31

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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