滋賀県の家庭料理 主菜の特徴

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書誌事項

タイトル別名
  • Shiga prefecture Home cooking: main dish
  • 季節ごとにみる主菜
  • Characteristics of main dish and seasonal variation

抄録

【目的】滋賀県の中央部に位置する琵琶湖は古くから淡水魚介類を育み、琵琶湖固有種も多く、湖魚を利用とした独自の食文化が発達し、受け継がれてきた。また日本三大和牛の1つである近江牛は滋賀のすき焼き文化の柱となってきた。本研究では、四季を通じての滋賀県の主菜の特徴をまとめることを目的とした。<br>【方法】平成25~27年にかけて、滋賀県の食文化の特徴について、全国的な調査を日本調理科学会特別研究の一環として実施した。調査方法は主に聞き取り法で行った。<br>【結果】琵琶湖は周囲を1000m級の山々に囲まれ、大小460本の河川が琵琶湖に流れ込んでいる。この恩恵を受けて淡水魚介類の食文化が発達した。湖魚は主菜として食され、たんぱく質やカルシウムの給源となった。代表的な魚介類はアユ、フナ、コイ、モロコ、ビワマス、ハス、ウグイ、イサザ、ゴリ、ギギ、ウナギ、ナマズ、ドジョウ、シジミ、スジエビ、テナガエビなどである。料理法は刺身、あえ物、煮魚、焼魚、なれずし、飴煮、佃煮、豆煮、醤油煮、味噌煮、蒸し煮、甘酢づけ、揚げ物、すき焼きなど伝統的な調理法が多い。春から夏が最も多く魚が取れる時期で、コアユは佃煮、天ぷらに、シジミは汁物、煮物、コイはあらいや筒煮、モロコは素焼き、南蛮漬け、イワトコナマズは刺身や煮付け、天ぷらに。夏はハスの塩焼き、ビワマスの刺身や煮付け、冬にはイサザ、ウナギ、近江牛がすき焼きにされる。えび豆は広範囲に食べられている。また福井や三重から街道を通じて、サバやブリなど海産魚が流通し、ハレ食として登場していた。滋賀県の主菜は湖魚を中心として、四季を通じて、多様な食べ方が認められた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238080511616
  • NII論文ID
    130007479228
  • DOI
    10.11402/ajscs.30.0_233
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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