オリーブオイルの風味が嗜好性に及ぼす影響

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タイトル別名
  • The influence of flavor of olive oil on palatability

抄録

【目的】近年、オリーブオイルの消費量は世界的に増加しており、日本においても需要は拡大している。オリーブオイル消費量の増加の背景には、食生活の変化やオリーブオイルの有する機能性のほか、特有の色、味、香りなどにより調理への汎用性が高まっていることが挙げられる。本研究はオリーブオイルが有する色、味、香りがヒトの感覚的評価および嗜好性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。<br>【方法】試料油には市販品のエキストラバージンオリーブオイル4種類(A~D)を用いた。1.色:分光色差計を用いて、L*値(明度)、a*値(赤方向)、b*値(黄方向)を測定した。2.香り:ガスクロマトグラフ質量分析計を用いて香気成分の定性分析を行った。3.味:昭和女子大学管理栄養学科に在籍する女子学生48名を対象に官能評価を行った。香りの強さ、香りの好み、苦味、辛味、味の好み、外観の色について線尺度を用いた評価を行い、多重比較法で解析した(p<0.05)。<br>【結果】1.色:L*値、a*値、b*値は4種ともほぼ同等の値を示したが、Cは他の3種と比べて黄色味が強く、明度は低かった。官能評価では、Cは他の3種に比べて有意に緑色味が強いと評価された。<br>2.香り:B、C、Dはほぼ同種の化合物が分離されたが、Aはより多くの種類の化合物が分離されたことから、Aは他の試料油にはない香気を有していることが推察された。官能評価では香りの強さおよび香りの好みについて4種に差は認められなかった。<br>3.味:CはDより有意に辛味が強いと評価された。苦味および味の好みについて4種に差は認められなかった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390564238081945344
  • NII論文ID
    130007479255
  • DOI
    10.11402/ajscs.30.0_164
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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