総胆管結石に対するESとEPLBDの晩期偶発症における比較検討 a propensity score-based cohort analysis
書誌事項
- タイトル別名
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- COMPARISON OF LATE ADVERSE EVENTS AFTER ENDOSCOPIC SPHINCTEROTOMY VERSUS ENDOSCOPIC PAPILLARY LARGE BALLOON DILATION FOR COMMON BILE DUCT STONES: A PROPENSITY SCORE-BASED COHORT ANALYSIS
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説明
<p>【背景と目的】</p><p>内視鏡的乳頭切開術(ES)は総胆管結石に対する標準的な治療方法である.一方,内視鏡的乳頭大口径バルーン拡張術(EPLBD)は治療困難結石例に対する有効な治療法として普及している.EPLBDはESに比べていくつかの利点を有しており,また早期偶発症の発生頻度はESと同等と報告されているが,その晩期偶発症については十分な検討がなされていない.本研究では傾向スコア分析を用いて,総胆管結石治療に対するEPLBDとESの晩期偶発症について比較検討することを目的とした.</p><p>【方法】</p><p>2つの治療群間の患者背景に生じるバイアスを調整するため傾向スコアマッチング法を導入し,240例を含むコホートを作成した.主要評価項目を両治療群の累積および1年,3年後の推定晩期偶発症発生率,副次評価項目を早期偶発症発生率とした.</p><p>【結果】</p><p>累積晩期偶発症発生率はEPLBD群およびES群でそれぞれ12.5%,16.7%であり(P=0.936),経過観察期間中央値はそれぞれ915.5日,1,544.5日であった.1年後および3年後の推定偶発症発生率は,EPLBD群では8.4%,13.1%,ES群では5.0%,15.0%であった.晩期偶発症発生のリスク因子について多変量解析を行ったところ,「内視鏡的処置回数2回以上」が有意なリスク因子として同定された.全体の早期偶発症発生率は両群間で有意差を認めなかった.</p><p>【結論】</p><p>本研究では,比較的長い経過観察期間においてEPLBD後の晩期偶発症発生率は,ES後と比較して有意差を認めなかった.EPLBDは治療困難な総胆管結石に対して選択すべき有用な内視鏡的処置であると考えられた.臨床試験レジストリ:UMIN000027798.</p>
収録刊行物
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- 日本消化器内視鏡学会雑誌
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日本消化器内視鏡学会雑誌 61 (3), 309-318, 2019
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390564238082385152
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- NII論文ID
- 130007616779
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- ISSN
- 18845738
- 03871207
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可