抑圧された文学たちの復権劇

書誌事項

タイトル別名
  • Liberation from Literary Censorship: Ōgai Mori's Preface to the Translation of <i>Robinson Crusoe</i>
  • 抑圧された文学たちの復権劇 : 森鷗外「ロビンソン・クルソオ」論
  • ヨクアツ サレタ ブンガク タチ ノ フッケンゲキ : モリオウガイ 「 ロビンソン ・ クルソオ 」 ロン
  • ――森鷗外「ロビンソン・クルソオ」論――

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抄録

<p>森鷗外「ロビンソン・クルソオ(序に代ふる会話)」(明治四四年)において表象されている、発禁といった国家による文学の弾圧と、それに対する融和策が、同時期の鷗外の文芸委員会への参加という文脈と対応していたことを論じた。具体的な作業として、同時代の〈ロビンソン・クルーソー〉受容の諸相と、文芸委員会をめぐる言説を掘り起こし、作品本文との偏差をはかった。「ロビンソン・クルソオ」という作品は、同時代の国家による、文学や思想に対する極端な危険視に対して警鐘を鳴らしている作品であり、鷗外はそれを対話として寓話化すると同時に、文芸委員会への参画という行動によっても融和策を提示しようとしていたことが明らかとなった。</p>

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 63 (4), 39-51, 2014-04-10

    日本文学協会

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