先天性骨髄不全症候群と原発性免疫不全症におけるがん素因

  • 石村 匡崇
    九州大学大学院医学研究院 成長発達医学分野(小児科)
  • 大賀 正一
    九州大学大学院医学研究院 成長発達医学分野(小児科)

書誌事項

タイトル別名
  • Cancer predisposition in inherited bone marrow failure syndromes and primary immunodeficiency diseases
  • センテンセイ コツズイ フゼン ショウコウグン ト ゲンパツセイ メンエキ フゼンショウ ニ オケル ガン ソイン

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説明

<p>先天性骨髄不全症候群は,DNA損傷修復に関連する遺伝子やテロメア維持に関連する遺伝子の異常により発症する。また,リボソーム関連遺伝子の異常からも造血不全をきたす。これら遺伝性骨髄不全症の患者は造血器腫瘍や固形腫瘍を発症しやすい。近年,先天性副腎不全を呈するMIRAGE症候群患者にSAMD9遺伝子異常が同定され,monosomy 7を伴う骨髄異形成症候群とSAMD9/SAMD9L変異の関連が明らかとなった。一方,原発性免疫不全症は免疫担当細胞および蛋白の欠損により易感染性を示す遺伝性疾患群だが,腫瘍免疫に関しても機能が低下し,一般集団より発がんリスクが高いものが多い。GATA2異常症は造血不全症と免疫不全症の両面をもつ単一遺伝子病で,骨髄異形成症候群/急性骨髄性白血病に進展する例が存在する。本稿では,小児期に発症するがん素因を有する遺伝性造血不全と原発性免疫不全について概説する。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 60 (6), 702-707, 2019

    一般社団法人 日本血液学会

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