紅酒に用いる紅麹菌の色素生産性に関する研究
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- 高橋 真美
- 戸板女子短大
書誌事項
- タイトル別名
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- Study on the pigments production of <i>monascus</i> sp. for sake
抄録
<p>【目的】紅麹菌の産生する色素は,紅豆腐,醸造食品,水産練製品,畜産加工製品,調味料での利用が多く,他に冷菓,練り餡,米菓の着色料などに幅広く使用されている。紅麹菌の産生する色素の生理機能としては,monascorubrinには抗腫瘍プロモーション作用や抗炎症作用を有すること,Monascus purpureusの産生するrubropunctatinには抗ガン作用を有することが報告されている。さらに,紅麹菌を穀類に繁殖させた紅麹は,酒造りに使用され,中国の老酒や沖縄の泡盛の製造に用いられている。M.pilosusを繁殖させた紅麹には,血圧降下作用を有するγ-アミノ酪酸,コレステロール生合成抑制作用を有するモナコリンなどの機能性成分が報告されている。</p><p>本研究では,紅酒に用いる紅麹菌を用いて,紅麹菌の色素生産性の向上を目的に,培地に用いる成分の検討を行った。</p><p>【方法】紅酒用の紅麹菌から分離した菌株を用いた。供試菌株は,ポテトデキストロース寒天培地に培養後,液体培地で10日間静置培養して用いた。培養後,菌体を濾別し,80%エタノール溶液を加え,60℃恒温槽中で抽出した。</p><p>【結果および考察】炭素源の比較では,グルコースおよびもち米デンプンを用いた培地で紅麹菌を生育した場合の色素生産性の検討を行った結果,もち米デンプンを用いた培地の方がグルコースを炭素源に用いるよりも色素生産性は高まった。紅酒では,その特有の色調が退色せず,鮮明に保持することが求められる。培地成分の組成を組合せることで,紅麹菌の色素生産に影響を及ぼし,紅酒製造における色調への有効活用が期待できると推察された。</p>
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 31 (0), 178-, 2019
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390564238111721856
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- NII論文ID
- 130007695690
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可