教師教育者の成長過程に関する質的研究

書誌事項

タイトル別名
  • A Qualitative Study of the Process of Development for Initial Teacher Educators:
  • 教師教育者の成長過程に関する質的研究 : TAの経験はアイデンティティ形成にどのように影響を与えるか
  • キョウシ キョウイクシャ ノ セイチョウ カテイ ニ カンスル シツテキ ケンキュウ : TA ノ ケイケン ワ アイデンティティ ケイセイ ニ ドノ ヨウ ニ エイキョウ オ アタエル カ
  • The Influence of Experiences as TA on Identity Development
  • ― TAの経験はアイデンティティ形成にどのように影響を与えるか ―

この論文をさがす

抄録

本研究は,以下3つの問題に答えることを目的とした。(1)研究系大学院に学ぶ博士課程の大学院生が,「教科教育法」のTA を経験することで,どのように成長していくのか。(2)(1)の成長は,どのような条件で促進または阻害されるのか。(3)TA の経験を持つことは,大学院生にとってどのような意味を持つのか。以上の考察に基づいて,本稿の掲げた3つの問いに答えたい。その結果,以下の3点が明らかとなった。①大学院生は,TA を経験することで,それぞれ個性的な成長のパターンを示した。大きくは,教師教育者としてのアイデンティティを軸に展開していくもの(大学院生A),研究者としてのアイデンティティを軸に展開していくもの(大学院生B),経験を通して教師教育者・研究者としてのアイデンティティ構築にむかうもの(大学院生C)である。②①の差異は,アイデンティティとその確立の程度に由来していた。また①の成長は,教育実践上のつまずきや悩みで促進されていた。③ TA の経験は,将来,研究者と教師教育者の両方の能力が要求される教科教育学を学ぶ大学院生に,両者を自発的に架橋していく機会を与える点に意味がある。

収録刊行物

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ