価値判断の方法論

書誌事項

タイトル別名
  • A Methodology for Value Judgment
  • 価値判断の方法論--事実と価値に関する一考察
  • カチ ハンダン ノ ホウホウロン ジジツ ト カチ ニ カンスル イチ コウサツ
  • A Study of “Facts” and “Values”
  • 事実と価値に関する一考察

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説明

近年、学際領域の分野で哲学・倫理学と社会学の交流が増えるとともに、社会学理論において規範理論をどのように導入すべきかという課題が生じている。M.ウェーバーの理念型は、価値判断とは区別された「分析手段」として多用されているが、いったん理念型の概念がさまざまな文脈で用いられると、価値判断が混ざり理想としての性質を持つようになるという問題点を抱えている。学際的な分野で規範や価値判断を扱う場合、社会学者は理念型に加えてどのような方法論や分析手段を用いることができるのだろうか。本稿の目的は、事実と価値の区別を明らかにするために、「理念型」の枠組に準拠しながらも、社会学における価値判断の方法論に焦点を当てることによって、「規範型(あるいは規範理念型)」概念を提唱することである。「規範型」とは、理念型と似た構成要素に基づきながらも、原則という「価値」や規則という「判断基準」として機能し、今後のあり方について価値判断や規範を示すための分析手段(道具)である。学際領域として発展している「実証的生命倫理(empirical bioethics)」を事例として、規範型の特徴を具体的に分析する。まとめとして、社会学における規範理論や価値判断の方法論を発展させる必要性を示す。

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