昭和大学血液内科における急性骨髄性白血病の後方視的解析

  • 柳沢 孝次
    昭和大学医学部内科学講座(血液内科学部門)
  • 服部 憲路
    昭和大学医学部内科学講座(血液内科学部門)
  • 綿貫 めぐみ
    昭和大学医学部内科学講座(血液内科学部門)
  • 藤原 峻
    昭和大学医学部内科学講座(血液内科学部門)
  • 荒井 奈々
    昭和大学医学部内科学講座(血液内科学部門)
  • 塚本 裕之
    昭和大学医学部内科学講座(血液内科学部門)
  • 齋藤 文護
    昭和大学医学部内科学講座(血液内科学部門)
  • 中牧 剛
    昭和大学医学部内科学講座(血液内科学部門)

書誌事項

タイトル別名
  • ANALYSIS OF ACUTE MYELOID LEUKEMIA IN SHOWA UNIVERSITY HOSPITAL IN PAST TEN YEARS

説明

急性骨髄性白血病(AML)の治療戦略は,①治癒的多剤併用化学療法,②白血病細胞の分子異常に基づく層別化と分子標的治療の導入,③同種造血幹細胞移植によりなる.一方AML患者の高年齢化はAMLの病型診断やその治療選択に大きな影響を与える.過去10年間,昭和大学病院血液内科で治療をうけた111例のAML患者の病態と治療予後を後方視的に解析し,成人AMLの実診療の現状と治療上の問題点を明らかにすることを試みた.病型分類ではAML with MRC(骨髄異形成症候群関連所見を伴うAML)が28.8%,年齢では65歳以上が52.2%で,男女比は1.85であった.全生存率は34.5%で生存中央値は22か月であった.多変量解析では治療予後に影響する因子として高年齢(75歳以上)と性別(男性)が予後不良因子として抽出された.従来予後予測に有用とされていた白血病細胞の染色体核型の治療予後への影響はt(15;17)を除けば限定的であり,同種造血幹細胞移植(SCT)の意義も明らかではなかった.AML with MRCの病態解明・治療法の確立,核型に遺伝子異常を加えたAMLのさらなる層別化治療,SCTの治療関連毒性の制御が実臨床での治療予後改善に重要と考えられた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390566775133591040
  • NII論文ID
    130007841705
  • DOI
    10.14930/jshowaunivsoc.79.725
  • ISSN
    2188529X
    2187719X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ