乳頭に生じ脂漏性角化症様の外観を呈した尖圭コンジローマの1例

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  • 村尾 和俊
    徳島大学大学院医歯薬学研究部皮膚科学分野
  • 久保 宜明
    徳島大学大学院医歯薬学研究部皮膚科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Condyloma acuminatum of the nipple resembling seborrheic keratosis
  • ニュウトウ ニ ショウジ シロウセイ カッカショウ サマ ノ ガイカン オ テイシタ セン ケイ コンジローマ ノ 1レイ

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説明

25歳女.約3か月前より左乳頭部に皮疹が生じ,徐々に大きくなった.左乳頭部に角化傾向の強い暗褐色の疣状結節が,乳頭全体を覆うようにみられた.臨床像からは脂漏性角化症を考えたが,病理組織では,表皮は外方向性に乳頭状に肥厚し,表皮上層には多数のkoilocyteを認めた.抗human papillomavirus(HPV)抗体による免疫染色では,表皮顆粒層近くに陽性細胞を多数認めた.Polymerase chain reaction(PCR)によりHPVの検索を行ったところHPVのDNAが病変部から検出され,遺伝子配列はHPV6型と一致した.以上より,本例を乳頭部に生じた尖圭コンジローマと診断した.液体窒素治療により病変は消褪した.乳頭部に生じた尖圭コンジローマの報告は少ないが,興味深いことにほとんどの症例が,自験例の様に脂漏性角化症様の臨床像を呈している.乳頭に生じた脂漏性角化症様の病変に対しては常に尖圭コンジローマを鑑別に入れるべきである.

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