重症ループス腎炎を伴う小児期発症全身性エリテマトーデスに対する治療法の進歩

  • 木澤 敏毅
    JCHO札幌北辰病院小児科 札幌医科大学医学部小児科 横浜市立大学医学部小児科
  • 堤 裕幸
    札幌医科大学医学部小児科
  • 横田 俊平
    横浜市立大学医学部小児科

書誌事項

タイトル別名
  • Progresses of treatment in pediatric systemic lupus erythematosus with severe lupus nephritis
  • ジュウショウ ループスジンエン オ トモナウ ショウニキ ハッショウ ゼンシンセイ エリテマトーデス ニ タイスル チリョウホウ ノ シンポ

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説明

小児発症全身性エリテマトーデス(SLE)は,その発症に自己免疫機序が関わる慢性炎症性疾患 である.本症の予後を大きく左右するループス腎炎の合併率が90%以上と,成人に比べ多いことが問 題になる.したがって,ループス腎炎の早期抑制を主たる目的として,経静脈的シクロフォスファミ ド(IVCY)療法による寛解導入とともに,寛解維持療法としてステロイドとアザチオプリン(AZP)併 用療法の有効性が報告され,IVCY療法とともに標準的治療として用いられてきた. 一方で,これらの治療にも不応な例や,副作用のため薬剤の中断を余儀なくされる例が存在し,新た な治療法が求められている. 当科では,2006年以降重症ループス腎炎を併発するSLEの寛解導入・維持療法としてIVCY療法とと もに少量ステロイド+ミコフェノール酸モフェチル(MMF)療法を実施し,効果を上げている. 今回,小児重症ループス腎炎を併発したSLEに対するMMFを含めた新しい治療法につき,病態にお ける作用機序という観点から報告したい.

収録刊行物

  • 小児リウマチ

    小児リウマチ 5 (1), 9-14, 2014

    一般社団法人 日本小児リウマチ学会

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