介護職員処遇改善加算が訪問介護従事者に対して十分な待遇改善効果を及ぼしていない要因

  • 坪井 良史
    京都府立大学大学院 公共政策学研究科(博士後期課程)

書誌事項

タイトル別名
  • Why Do Additional Care Fees to Improve Wages for Long-term Care Workers Not Have Sufficient Effect on Workers of Home Help Services?
  • カイゴショクイン ショグウ カイゼン カサン ガ ホウモンカイゴジュウジシャ ニ タイシテ ジュウブン ナ タイグウ カイゼン コウカ オ オヨボシテ イナイ ヨウイン

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抄録

<p>近年,介護従事者に向けた待遇改善は介護保険制度における重要な政策の一つとして位置づけられている.しかしその一方,在宅介護における中核的サービスである訪問介護においてはその待遇改善効果が十分にもたらされていない.そこで本研究では,この要因について明らかにすることを目的とする.本研究では,訪問介護サービスの主たる提供者である非正規職に向けた待遇改善に焦点を絞る.そして,現行の主たる待遇改善策である「介護職員処遇改善加算」の算定要件や算定水準について確認するとともに,本加算が訪問介護従事者の賃金をどの程度改善するものとなっているのかについて考察を行った.考察の結果,本加算が訪問介護従事者に待遇改善効果を及ぼしていない要因として,算定要件が複雑であること,本加算の効果は正規職に向けられていること,待遇改善方法が事業所の判断に委ねられていること,時限的な措置となっていることなどが明らかとなった.</p>

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 62 (1), 38-51, 2021-05-31

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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