企画展「雪が織りなす物語」

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タイトル別名
  • Special exhibition: The story of snow
  • キカクテン 「 ユキ ガ オリナス モノガタリ 」

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抄録

真っ白な雪は、とても綺麗で繊細なことから、山部赤人による「田子の浦ゆ 打ち出でて見れば 真白にぞ 富士の髙嶺に 雪は降りける」(万葉集)のように歌に詠まれ、絵画や楽曲など広く芸術の素材となり、古今東西で人々に親しまれています。雪の結晶は、六角形を基本としながら様々な形で降ってきますが、それぞれの雪結晶の形には、雲の中の情報が暗号文として記されているのです。雪は大気中の塵や埃などを付着させながら降ってくるので、空の掃除屋さんとも呼ばれています。地上に積もってから、しまり雪、ざらめ雪、さらには、しもざらめ雪などに変態していきますが、降る途中で大気中から付着させた化学物質も、雪粒子が変態し融けるまでに不思議な振る舞いをします。日本は比較的低緯度で標高が低いにもかかわらず、大量の雪が降るのは、シベリア高気圧、チベット・ヒマラヤ山塊、暖流の日本海、そして脊梁山脈の絶妙な地理的配置の賜なのです。脊梁山脈に降る雪は「白いダム」と呼ばれ、水資源としての貴重な役割を担っています。さらには、大量の降雪が雪渓や氷河の涵養源となっています。しかし、一方では、大雪による災害を引き起こすこともあります。 2020年10月3日から2021年1月17日に開催された企画展「雪が織りなす物語」の展示内容を、ここでは記録として残します。

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