DDSにおける超音波照射時間と細胞薬物取込の関係に関する研究

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Study on the relationship between ultrasound exposure time and cellular drug uptake in DDS

抄録

<p>超音波を用いたドラッグデリバリーシステム(DDS)では,標的細胞に超音波を照射して細胞膜に一時的に穴を開けると同時に,薬物を細胞と同様の膜構造を持つナノサイズのリポソーム内から放出させ,細胞に取込ませる.しかし,その薬物取込みと超音波照射時間の関係は明らかになっていない.そこで本研究ではモデル細胞としてマイクロサイズのリポソームを用いて超音波照射時の脂質二重膜の透過性について調べることを目的とする.実験では,まず初めにリポソームを作製し,その膜構造が細胞と同様の脂質二重膜であることを,膜タンパク質を用いた実験により確認する.そして,薬物と見立てた蛍光物質を含む溶液にそれらを分散し,超音波発生装置を用いて生成した超音波を10分間照射する.超音波を照射するとリポソームの脂質二重膜に薬物が通過できる程度の小孔が形成されるため,拡散により蛍光物質がモデル細胞内へ流入すると思われる.共焦点顕微鏡下で超音波照射時のリポソーム内部とその周辺の輝度値の差を比較したところ,照射時間の経過につれて差が小さくなる様子が観察された.したがって溶液中の蛍光物質がリポソーム内に取り込まれたと思われる.また,照射時間が長くなるにつれ,蛍光物質取込量が増加することが示唆された.今後は他の条件でも超音波照射実験を行い,各照射条件における薬物取込との関係の探索ならびにDDSへの応用実験を実施する.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual59 (Abstract), 571-571, 2021

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390571240017329664
  • NII論文ID
    130008105495
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual59.571
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ