超小型軸流血液ポンプ用磁性流体軸シールの損失検討

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タイトル別名
  • Investigation of Energy loss in ferromagnetic fluid shaft seal for miniature axial flow blood pump

抄録

<p>背景:カテーテル設置式超小型軸流血液ポンプ開発の鍵は軸シールにあり,臨床使用されているImpellaは軸シールにパージシステムを用いているが故障が報告されており,新たな超小型・低摩擦・低損失・長寿命の軸シールが求められている.そこで本研究では,超小型化が容易な簡易構造型磁性流体軸シールを開発中で,今回,磁性流体軸シール部の摩擦損失に関する検討を行ったので報告する.</p><p>方法:開発を進めている簡易構造型磁性流体軸シールは,外径4mm×内径2.6mm×長さ3mmのリング型軟鉄にの内腔に,モータ回転軸に装着した外径2.5mm長さ2mmのネオジム磁石を設置したもので,理論上のシール耐圧は432mmHgとなっている.この磁性流体軸シールを,カテーテル設置式超小型軸流ポンプに使用予定のブラシレスモータに装着し,モータ入力電力より磁性流体軸シール部の損失を求めた.</p><p>結果:実際のカテーテル設置式軸流血液ポンプの使用を前提に,モータ回転速度30000rpm(周速度3.93m/s)で磁性流体軸シール部の測定を行った.その結果,ネオジウム磁石と軟鉄リング間の磁力による損失が0.026W,磁性流体の粘性に伴う損失が0.259W,磁性流体軸シール全体の損失0.285Wと測定された.</p><p>結論:カテーテル設置式軸流血液ポンプは,非力な超小型ブラシレスモータを使用するが故に,シール部分の損失がそのポンプ特性に大きな影響を与える.そのため,磁性流体軸シール部の損失削減を検討していく予定である.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual59 (Abstract), 331-331, 2021

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390571240017531648
  • NII論文ID
    130008105258
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual59.331
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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