プロテインチップアレイを用いた急性肝不全生体肝移植患者におけるバイオマーカーの検討

DOI HANDLE Web Site オープンアクセス
  • 山下 洋市
    九州がんセンター肝胆膵外科 | 九州大学大学院消化器・総合外科(第二外科) | 熊本大学大学院生命科学研究部消化器外科学
  • 吉住 朋晴
    九州大学大学院消化器・総合外科(第二外科)
  • 池上 徹
    九州大学大学院消化器・総合外科(第二外科)
  • 内山 秀昭
    九州大学大学院消化器・総合外科(第二外科)
  • 辻田 英司
    九州がんセンター肝胆膵外科
  • 伊藤 心二
    九州大学大学院消化器・総合外科(第二外科)
  • 播本 憲史
    九州大学大学院消化器・総合外科(第二外科)
  • 副島 雄二
    九州大学大学院消化器・総合外科(第二外科)
  • 武冨 紹信
    北海道大学大学院消化器外科学分野I
  • 馬場 秀夫
    熊本大学大学院生命科学研究部消化器外科学
  • 前原 喜彦
    九州大学大学院消化器・総合外科(第二外科)

書誌事項

タイトル別名
  • Inquiries About Biomarkers of Acute Liver Failure in Patients Who Underwent Living Donor Liver Transplantation Using a Protein Chip Array

この論文をさがす

抄録

肝性脳症の原因物質はまだ同定されていない.我々は,肝移植を受けた急性肝不全患者の意識回復が時に劇的である事から,このような患者において肝性脳症の原因物質が周術期に劇的に変化していると考えた.そこで,肝性脳症の原因物質を同定するために,プロテインチップシステム4000^【○!R】 (サイファージェンバイオシステムズ,横浜)を用いて,患者血清中のバイオマーカーを検討した.生体肝移植を受けた急性肝不全患者4名より,周術期4 ポイント(手術前,術後1日,術後3日,術後7日)で血清を採取して,合計16のサンプルを得た.今回は,Biomek2000ロボットにより作製された3つのチップを使用した.測定はサンプル毎に2回行い,結果はCiphergenExpressTMデータマネージャーを用いて分析した.周術期における発現ピークの変動パターンを7 パターンに分割し,周術期に有意に変動した発現ピークとして755個を同定した.もちろん,755個の発現ピーク全ての構造を決定することは困難である.従って,我々は更に検討を重ね,肝性脳症の原因物質の候補を絞り込む必要がある.我々の今回の検討結果は,肝性脳症の原因物質を決定するには多くの困難が待ち受けていることを示唆している.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ