非意図的であることを表す副詞(的機能を持つ表現)の意味分析 : うっかり(と),うかうか(と),うかつに,うかつにも

書誌事項

タイトル別名
  • A Semantic Analysis of Adverbs and Adverbial Expressions of Unintentionality : "Ukkari(to)", "Ukauka(to)", "Ukatsuni", and "Ukatsunimo"
  • ヒイトテキ デ アル コト オ アラワス フクシ テキ キノウ オ モツ ヒョウゲン ノ イミ ブンセキ ウッカリ ト ウカウ カ ト ウ カツ ニ ウ カツ ニ モ

この論文をさがす

説明

本稿は,非意図的であることを表す副詞(的機能を持つ表現)「うっかり(と),うかうか(と),うかつに,うかつにも」の4語の個別の意味とその類似点・相違点を明らかにすることを目指したものである。分析の結果を簡単にまとめると以下のようになる。まず,「うかうか(と)」は<相手に対する注意力の欠如>の場合に用いられるが,「うっかり(と)」は単なる<自分自身の注意力の欠如>の場合に用いられる。次に,「うっかり(と)」は<注意力の欠如が原因となってその結果行う行為を表す>場合に用いられるのに対して,「うかつに」は<行為の仕方に注目し,その様子に注意深いところがない,気をつけるところがないことを表す>場合に用いられる。さらに,「うっかり(と)」は,単に<注意力の欠如が原因となって行う行為を表す>場合に用いられるのに対して,「うかつにも」は,話し手が<自分とかかわるある事柄について十分な注意をはらわなかった>結果に対する<反省の意を表す>場合に用いられることから,すでに起きた事柄についてしか用いられない。

収録刊行物

  • 日本語科学

    日本語科学 12 153-168, 2002-10

    国立国語研究所

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ