博士課程の学生が民間企業への就職を選択する思考プロセスと要因 : 文献調査とインタビュー調査による一考察

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タイトル別名
  • How and Why Do Doctoral Students Choose to Work at Private Companies? : A Combined Research of Literature and Interview
  • ハクシカテイ ノ ガクセイ ガ ミンカン キギョウ ヘノ シュウショク ヲ センタク スル シコウ プロセス ト ヨウイン ブンケン チョウサ ト インタビュー チョウサ ニ ヨル イチコウサツ
  • ハクシ カテイ ノ ガクセイ ガ ミンカン キギョウ エ ノ シュウショク オ センタク スル シコウ プロセス ト ヨウイン : ブンケン チョウサ ト インタビュー チョウサ ニ ヨル イチ コウサツ

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抄録

近年日本において、博士号取得者のキャリアパスの多様化が政策的に進められているが、博士後期課程に在籍する学生はどのような思考を経て修了後のキャリアを決定しているのだろうか。学部卒業者、修士課程修了者と比較して博士課程修了者に関する既存のキャリア調査は乏しく、特に思考プロセスに焦点を当てた調査研究はほとんど存在しない。本研究では、博士課程に在籍する学生のもつ思考プロセスに着目し、先行研究を調査分析したうえでインタビューを行うことで、民間企業への就職を決定する思考プロセスとその要因を明らかにする。結論として、特徴的な3つの思考パターンに整理することができた。すなわち、給与額などの比較項目を設定し就職先の候補から比較する「比較モデル」、周囲の人物の決定や先例に同調する「同調モデル」、研究室で培われた価値観に基づいて判断する「印象モデル」である。さらに、これらの思考パターンはキャリア決定の初期と後期で使い分けられ、優先順位がつけられていた。すべての思考パターンで共通して、キャリアの情報は所属研究室の教員や先輩や、口コミサイトなど比較的狭い範囲で収集され、その情報を基に判断を行っていた。以上を踏まえ、早期のインターンシップや研究室ローテーションといった施策は、隣接分野へと視野を広げることが期待できるため、より納得度の高いキャリア決定に効果があることが分かった。

収録刊行物

  • Co*Design

    Co*Design 4 105-129, 2019-02-28

    大阪大学COデザインセンター

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