スポーツ行動の予測因子としての行動意図・態度・信念に関する研究(II) : ランニング実施者と非実施者の諸属性の比較

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タイトル別名
  • A Study on Behavioral Intention, Attitude and Belief as the Factors Predicting Sport Behavior (II) : Comparison on Attributes between Joggers and Nonjoggers
  • スポーツコウドウノヨソクインシトシテノコウドウイト・タイド・シンネンニカンスルケンキュウ(II) : ランニングジッシシャトヒジッシシャノショゾクセイノヒカク
  • スポーツ行動の予測因子としての行動意図・態度・信念に関する研究-2-ランニング実施者と非実施者の諸属性の比較
  • スポーツ コウドウ ノ ヨソク インシ トシテノ コウドウ イト タイド シン

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抄録

ランニングの実施及び非実施に関与する身体的,精神的そして社会的な若干の諸要因について,狭義にはM.Fishbeinのモデルで使用された諸変数の関係にかかわる基礎資料を得るために,広義にはそれらの変数を含めた一般的スポーツ行動の規定因子及び予測因子の究因の足掛りを得るために,比較・検討を試みた。主要な結果を要約すれば次の通りである。1.ランニング実施に対する年令の規定カは,他のスポーツに比べて弱く,年令構成は相対的に高い。2.身長・体重では実施者は身長・体重共に劣る傾向にあるが,ローレル指数では顕著な差はみられない。3.一般市民の男子に比べ,実施者の学歴は高く,職業はホワイトカラーが多く,収入も多い傾向をみられ,社会的・文化的そして経済的な水準は高い。4.現在のランニング実施に関する過去の影響因子としての過去のスポーツ経験および両親のスポーツ奨励は,共に関連性があると推測され,特に実施者のクラブ所属率は一般市民のそれに比較し著しく高い。5.実施者は,ランニングに対し著しい好意的態度と評価そして信念をもっている。それに関連し,継続期間は短期者と長期者とに区分されるとはいえそこには実施の継続化傾向が認められ,また週平均回数は5〜6回以上が約半数,そして平均距離は4km前後である。6.実施の目的及び効果として,身体的・精神的・社会的な諸側面があげられているが,特に目的については体力の維持・増進が著しく,また効果についてはそれと同様に精神的爽快感や気分転換,あるいは友人の獲得もあげられている。7.健康と体力の状態について,実施者は自らの状態を明確に良好であると自覚し評価している。実施者においては喫煙者が少なく,身体的・精神的な疾病徴候の愁訴が少ない。8.ランニング実施者は,多様な他者からの期待とそれに対する従属意志を持っているが,特にランニング仲間と配偶者が重要な他者として指摘される。9.ランニング実施について,実施のための時間や場所は必ずしも規定要因としての重要性をもたず,それらの確保の難易性の認識は実施に対する心理的距離の結果であると考えられる。

収録刊行物

  • 健康科学

    健康科学 2 91-101, 1980-03-30

    九州大学健康科学センター

被引用文献 (2)*注記

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