イギリスにおける混合農業の展開に関する経営史的研究 (3)

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タイトル別名
  • A Study on the Development of Mixed Husbandry from Viewpoint of History of Farm Management in England (3)
  • イギリス ニ オケル コンゴウ ノウギョウ ノ テンカイ ニ カンスル ケイエ

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抄録

前稿においてはイギリス農業全体として混合農業の展開条件を考察したのであるが,本章では個別経営の段階における混合農業の経営・技術的特性を検討する.個別経営事例の検討によって,その特性がより明確に浮きでると考えるからである.このばあい,Caird (1852)の"English Agriculture in 1850-51"を主要資料とする.Cairdの同書は農業革命期の大農業学者Youngと同様な方法(調査旅行)で収集した資料に基づいており,"Youngによる描写に対する,われわれに残されたもっとも興味ある素材を提供する"ものである(Wilson,1862,p.75).Caird(1852)は"English Agriculture"のなかで農業者といっしょに歩いたり,地主ないし彼の代理人といっしょに視察したりして数多くの優良農業経営(good farming)を詳細に観察しているので,本章では,これらの事例のうちから,1895年の農業統計で採用された地域区分(詳しくは前稿(II)の第3表を参照のこと)に基づきながら各地域から1事例ずつ,計4事例を選び,それらの経営自体を検討する.第1図はCairdが調査旅行を行った州や道順,および本章で検討する農場が位置する場所を示したものである.

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