<論説>サー・レオ・キオザ・マネーの千年王国

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タイトル別名
  • <Article>Sir Leo Chiozza Money's Millennium
  • サー・レオ・キオザ・マネーの千年王国
  • サー レオ キオザ マネー ノ センネン オウコク

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抄録

サー・レオ・キオザ・マネーは第一次大戦前の自由党にあってよく知られた集産主義的急進主義者であり、またフェビアン協会の一員でもあった。その著作『富と貧困』は今日ではほとんど取り上げられることもないが、当時はよく読まれ、同時代の社会主義老にかなりの影響力をもった。彼の主張は手詰り状態にあったイギリスの産業を国有化をふくむ国家による上からの「組織化」によって変革すべきであるというものであった。そして彼にとってはこの組織化それ自体が社会主義を意味した。第一次大戦期にはマネーはロイド・ジョージ内閣の成立に審与し、同内閣では海運省の政務次官に任命された。戦時社会主義は彼にとってその戦前期の社会主義の理念の実現を意味した。そして彼はこの教訓を戦後の経済再建にいかすべきだと考え、労働党に入党した。しかし彼は同党の教条主義的な社会主義観に反撥して離党し、のちには親ファシスト的な立場をとることになる。本稿は以上のようなマネーの政治経歴を概観することを目的とする。

収録刊行物

  • 史林

    史林 68 (3), 458-492, 1985-05-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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