<論説>清代の移住民社会 : 嘉慶白蓮教反乱の基礎的考察
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- 山田 賢
- 名古屋大学大学院生
書誌事項
- タイトル別名
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- <Articles>The Immigrant Societies under the Qing 清 Dynasty : An Introductory Study of the Bailian-jiao 白蓮教 Sect Rebellion in the Jiaqing 嘉慶 Period
- 清代の移住民社会--嘉慶白蓮教反乱の基礎的考察
- シンダイ ノ イジュウミン シャカイ カケイ ビャクレン キョウハンラン ノ
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説明
一七世紀末から一八世紀末にかけて、湖広を中心とする先進開発地域からは大量の移住民が析出され、四川・湖北・陝西境界地区(所謂「三省交界地帯」) へと流入した。一七九六年(嘉慶元年) 、この地域では嘉慶白蓮教反乱が勃発したが、反乱軍の出自は移住民にあったとされている。本稿の課題は、第一に移住民社会がある秩序へと収束される過程を明らかにすることであり、第二にその過程において形成された矛盾-即ち嘉慶白蓮教反乱を用意した社会条件を見極めることにある。移住民の取り結ぶ社会関係は、同郷結合から同族結合へと帰結し、次第に聚居形態を伴う同族集団が誕生する。乾隆年間末頃までにこの中から、平野部における大土地所有・流通ルートの独占を実現する移住民地主が出現した。彼らは同族結合を「宗族」組織として固定せしめる方向を目指したが、一方、山間部の被圧追集団は、その族的結合自体さえ危機に瀕しつつあった。こうした同族集団間の分極化が、嘉慶元年における大規模な社会変動の伏線として存在していたのである。
収録刊行物
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- 史林
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史林 69 (6), 854-893, 1986-11-01
史学研究会 (京都大学文学部内)
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390572174799656448
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- NII論文ID
- 110000235270
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- NII書誌ID
- AN00119179
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- HANDLE
- 2433/238897
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- NDL書誌ID
- 2801802
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- ISSN
- 03869369
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
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- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可