<論説>冷戦初期アメリカ合衆国の台湾政策 : 一九四九年の包括的アジア政策形成という文脈において

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タイトル別名
  • <Articles>United States Foreign Policy on Taiwan during the Early Period of the Cold War : In the Context of Development of a Comprehensive Policy on Asia in 1949
  • 冷戦初期アメリカ合衆国の台湾政策--1949年の包括的アジア政策形成という文脈において
  • レイセン ショキ アメリカ ガッシュウコク ノ タイワン セイサク 1949ネン ノ ホウカツテキ アジア セイサク ケイセイ ト イウ ブンミャク ニ オイテ

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説明

国共内戦での中国共産党の勝利が明白となるなか、トルーマン政権は、一九四九年初め、台湾の処置という喫緊の政策課題を新任の国務長宮ディーン・アチソンに委ねるのであった。本稿は、新中国成立前後の米国政府の台湾政策を分析対象とするが、その際に、大陸中国政策との連動という側面に着目するだけにとどまらず、同時に、ひろく台湾を含むアジアという視点を導入して検討を進める。国家安全保障会議文書三七シリーズと称される台湾政策が、四九年の春以降展開する包括的なアジアプログラム構築と不可分であった点を、筆者は重視するからである。そしてその検討作業を経て、四九年末の台湾の位置づけの最終的確定において、穏健なナショナリズムに対する配慮が重要な役割を果たした事実を明らかにする。また、この台湾政策の見直しにより、これまでの理解と異なる国務省のアジアナショナリズム認識、さらには、その認識に支えられたアチソンのアジア構想に光があてられることであろう。

収録刊行物

  • 史林

    史林 87 (2), 215-250, 2004-03-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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