<論説>サン・シモン、フーリエ 対 オウエン : 思想形成の仏英比較

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タイトル別名
  • <Articles>Saint-Simon, Fourier and Owen : A Comparison between French and English Socialist Thinkers
  • サン・シモン,フーリエ対オウエン--思想形成の仏英比較
  • サン シモン , フーリエ タイ オウエン シソウ ケイセイ ノ フツエイヒカク

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抄録

サン・シモン、フーリエ、オウエンは、殆んど同時代の仏英の社会思想家であり、従来、三人が一空想的社会主義者」、又はフーリエとオウエンが「組合派社会主義者」と同じように目されてきた。このような見方は、三人又は二人の間の確かな共通点に支えられているから、勿論正しい面を持っている。しかし、比較の指標を現実問題に置いて思想の差異点を探って見るならば、別の見方が可能である。同じく労働者保護を指向しながらも、サン・シモンとオウエンとの差異は大きい。ユートピアの構図が瓜二つであるにも拘らずフーリエとオウエンとは違う。他方、同国人のサン・ジモンとフーリエとは、現実認識と処方箋の類似点を持っている。サン・シモン、フーリエとオウエンとの思想が、それぞれ英仏悔峡をはさんだ別の国の運命を背負っている事、加えて三人の思想が、それぞれ元買族 (サン・シモン)、商店員 (フーリエ) と工場経営者 (オウエン) という別の境涯をも映じている事を本稿に示したい。以て各国比較の上に立つフランス社会主義研究に資する所があれば幸いである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 48 (5), 711-736, 1965-09-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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