真正な実践のための哲学研究者の学習過程の探求 : 畠中和生「人間観の類型論」を手掛かりに

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タイトル別名
  • Exploring the Learning Process of a Philosophical Researcher for Authentic Practice : Implications from Kazuo Hatanaka’s “Typology of Human Beings”
  • シン セイ ナ ジッセン ノ タメ ノ テツガク ケンキュウシャ ノ ガクシュウ カテイ ノ タンキュウ : ハタケ チュウワセイ 「 ニンゲンカン ノ ルイケイロン 」 オ テガカリ ニ

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抄録

本研究の目的は,つぎの問いに対する答えの一つを得るために,専門科学者の研究過程を学習過程に変換することにある。その問いは,「どうすれば児童・生徒が学習を通して深い知識を獲得できるようになるのか。」,また,「そのために教師はどのような過程を通して教材研究を行えばよいのか。」である。このため,研究論文の構成・構造の分析や関連専門科学の基礎概念・基礎理論を用いた読解を通して研究者が行う研究論文の作成過程を導き出すことで研究者の学習構造を見出し,学習過程に変換することを試みる。本稿では,価値領域における哲学分野の研究を取り上げている。対象の研究論文は,「人間観の類型論」(畠中和生,2009)である。結果,研究者の探究活動を5段階で示し,各過程における具体的な研究者の学習のあり方を整理した。これを踏まえて,教師が人文系科目において深い理解を得るための真正実践として教材研究を行う方法や視点を提案している。鍵となるのは,教師における「学問を基盤とした探究過程と探究の視点に関する正確な理解」と「既有知識と得られた情報における関連性の発見」である。本稿では,教師が抱える専門科学の学問的理解の信頼性において指摘できる課題を克服するための手立ての一つを提示している。

収録刊行物

  • 学習システム研究

    学習システム研究 2 23-36, 2015-03-31

    学習システム促進研究センター (RIDLS)

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