生活単元学習を大きく位置づけた教育課程・実践の意義に関する検討 : 小学校知的障害特別支援学級における学校生活づくりを通して

書誌事項

タイトル別名
  • Research on Practical Outcome of Reformed Curriculum Being Centered for Unit of Life : Through School Life-making in a Special Support Class for Children with Intellectual Disabilities in Elementary School
  • セイカツ タンゲン ガクシュウ オ オオキク イチズケタ キョウイク カテイ ジッセン ノ イギ ニ カンスル ケントウ ショウガッコウ チテキ ショウガイ トクベツ シエン ガッキュウ ニ オケル ガッコウ セイカツズクリ オ トオシテ

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説明

特別支援学級の教育課程を編成する場合、特別支援学校学習指導要領を参考にすることができることとされている(文部科学省、2004)。このことを踏まえ、戸来・名古屋は、小学校知的障害特別支援学級で、領域・教科を合わせた指導を中心に教育課程を編成する必要があることを指摘している(戸来・名古屋、2006 ; 戸来、2007)。  もとより、領域・教科を合わせた指導を大きく位置づけた教育課程の源流は、今日の特別支援学級の前身である特殊学級に見出すことができること(小出進、1979 ; 名古屋、1996)を考えれば、知的障害特別支援学級で領域・教科を合わせた指導を大きく位置づけることは至極当然のことともいえる。近年においても知的障害特殊学級で領域・教科を合わせた指導を大きく位置づける必要性を理論面・実践面から主張する論も見られる(生活単元学習を考える会、1989)。 戸来・名古屋は、小学校知的障害特別支援学級で領域・教科を合わせた指導を中心に教育課程を編成している5校の特別支援学級に対し、実地調査を行い、資料収集及び参観を行った。それらの調査を整理し、実践上の特質として以下を指摘している(戸来・名古屋、2006 ; 戸来、2007)。 見学した5校の学級すべてが生活単元学習を中心にした教育課程を組んでおり、週日課表は帯状または帯状に近い形がとられていた。実践している担任からの聞き取りでは、その理由として以下があげられた。  ○毎日活動を繰り返すことで子どもに活動の見通しがもてる。  〇日的をもって登校し自分から行動して取り組める。  ○子どもの生き生きした姿が見られる。  ○継続して生活単元学習をすることで子どもの成長をこれまで見ることができている。  ○子ども主体で自分たちの活動を組み立てられる(戸来・名古屋、2006 ; 戸来、2007)。  これらの結果から、生活単元学習を中心にした活動が毎日展開されることで、子どもたちは見通しがもちやすく主体的な生活(小出、1998 ; 太田、2003)が送れるようになると考えられていることが指摘できる。  以上を踏まえ、本研究では、実際に小学校知的障害特別支援学級において、生活単元学習を中心にした教育課程を編成し、帯状週日課の下で展開される生活単元学習で、子ども主体の活動がどのように実現しているかを検討する。さらに子ども主体の活動実現の観点から生活単元学習中心の教育課程の意義を検討することを目的とする。

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