現代の「シャーリアの目的」論に見られるラシード・リダーの影響 : 人権をめぐる議論を例にとって

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タイトル別名
  • Rashīd Riḍā's influence on contemporary Maqāsid theories : concerning human rights
  • ゲンダイ ノ「シャーリア ノ モクテキ」ロン ニ ミラレル ラシード・リダー ノ エイキョウ : ジンケン オ メグル ギロン オ レイ ニ トッテ
  • 現代のシャーリアの目的論に見られるラシードリダーの影響 : 人権をめぐる議論を例にとって

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抄録

ラシード・リダーが現代の「シャリーアの目的」論に及ぼした影響は極めて大きい。だが、シャリーアの目的をどのように理解するかは論者によって異なっており、彼らがリダーから受けた影響は一様ではない。人権をめぐってシャリーアの目的が論じられる場合、二つの次元での影響が認められる。一つは、人権の内容に関するものである。この次元でリダーの影響を受ける者は、信教の自由に関してイスラーム法学の革新の必要性を訴える一方、ジェンダーに関わる問題では、両性の役割の違いに関する伝統的な理解を近代西洋の形式的平等よりも優れたものとして称揚する。もう一つは、リダーの法理論からの影響である。この次元で影響を受ける者は、特にジェンダーの問題において、時代の違いを考慮した柔軟な法解釈を主張する。このように、リダーの法理論は、彼自身の解釈とは異なる解釈をも正当化し得るものであった。このことが「シャリーアの目的」論の多様化の一因となっている。

収録刊行物

  • 一神教世界

    一神教世界 8 35-48, 2017-03-31

    同志社大学一神教学際研究センター(CISMOR)

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