「公正」さの判断基準の構築を目指す震災学習の授業構成 : 中学校社会科公民的分野「震災復興の問題について考えよう」を事例として

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タイトル別名
  • Study on Teaching Strategy for Learning about Earthquake focused on Developing the Value System of Justice : On the Basis of the Tentative Lesson Plan of a Junior High School Social Studies “Let’s Think about the Problem of Earthquake Recovery”
  • 「 コウセイ 」 サ ノ ハンダン キジュン ノ コウチク オ メザス シンサイ ガクシュウ ノ ジュギョウ コウセイ : チュウガッコウ シャカイカ コウミンテキ ブンヤ 「 シンサイ フッコウ ノ モンダイ ニ ツイテ カンガエヨウ 」 オ ジレイ ト シテ

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抄録

本研究は,社会的問題を解決する際の公正さの判断基準の構築によって市民的資質を育成しようとする社会科授業のあり方を,中学校社会科の具体的な単元の開発を通して提案しようとするものである。開発単元では,阪神・淡路大震災と東日本大震災を中心にとり上げており,どのような震災復興が望ましいかを考えさせることを通して,自らの公正さの判断基準を見直させ再構築していくことを目指した。本研究において提案する社会科授業構成原理は,価値判断力育成に関わるもので,それに関しては大杉昭英の研究が注目される。本研究は,社会的価値の認識を重視する大杉の研究に対して,生徒一人ひとりの価値観の形成に焦点をあてたものである。その授業構成原理は,パート1の「公正」という社会事象を捉える枠組みを構成していく段階と,パート2のパート1で構成した「公正」という枠組みを吟味し問い直すことで自己の判断基準を再構築していく段階からなる。そして,具体的には,開発した単元は,パート1の「公正」枠組みの構成段階と,パート2の「公正」枠組みを問い直し,吟味・検証を行う段階から構成されている。  これまでの価値判断力育成の学習論の課題としては,公正概念の多様性をふまえ,子ども自身が持っている価値を吟味・検証させる視点がみられなかった点をあげることができる。本研究では,子どもの価値判断基準の枠組みである「公正」さを構成する段階,構成した枠組みを問い直し吟味する段階を経ることで,その課題を克服できることを明らかにした。

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