物理的再生法により製造された PET ボトルを液状調味料および食用油の容器に適用した場合の安全性評価

  • 近藤 康一
    株式会社 Mizkan Partners 品質環境部
  • 小塚 莉加
    株式会社 Mizkan 仕入統括部
  • 桑垣 傳美
    キッコーマンビジネスサービス株式会社 購買部
  • 髙橋 章仁
    キッコーマン食品株式会社 商品開発本部 設備開発部 容器包装開発チーム
  • 長野 学
    キユーピー株式会社 研究開発本部 技術ソリューション研究所 加工・包材研究部
  • 平野 尚美
    日清オイリオグループ株式会社 技術本部 中央研究所
  • 廣澤 憲
    株式会社 Mizkan 仕入統括部
  • 杉山 健一
    株式会社 Mizkan Partners 品質環境部
  • 尾崎 麻子
    地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所 衛生化学部 食品化学 2 課

書誌事項

タイトル別名
  • Safety evaluation of PET bottles regenerated through mechanical recycling for use as liquid-seasoning and edible-oil containers

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抄録

物理的再生(MR)法により製造された PET ボトルを、液状調味料および食用油容器へ適用した場合の安全性につい て、食品擬似溶媒による溶出試験および予測ソフトウェアによるシミュレーションにより評価した。溶出試験に使用し た MR-PET ボトルは、8 種類の代理汚染物質により意図的に汚染させた PET フレークを、実際の MR 工程を通過させて汚染物質残存量を低減させた MR-PET ペレットから作製した。溶出条件は、調味料等の最長の賞味期限である 25℃ -2年に相当する 40℃ -5 ヶ月とし、調味料や食用油の特性を考慮し、食品擬似溶媒には 4% 酢酸、水、20% エタノールおよびヘプタンを用いた。その結果、ボトルから食品擬似溶媒へ溶出した代理汚染物質の濃度は、いずれも厚生労働省が食品用器具及び容器包装における再生プラスチック材料の使用に関する指針にて提示している推奨溶出限度値である 10 ng/mL を下回っていた。シミュレーションソフトを用いて、食品擬似溶媒への代理汚染物質の溶出量を推定した結果、25℃ -2 年および 40℃ -5 ヶ月の溶出条件では、最大で 0.4 および 0.5 ng/mL と推定され、限度値 10 ng/mL に対して十分に低い濃度であることが示唆された。また、アンチモンの水系食品擬似溶媒への溶出量は、40℃ -4 ヶ月の溶出条件においても 10 ng/mL 未満と食品衛生法の規格値(50 ng/mL)を下回っていた。今回の結果から、MR-PET ボトルは、厚生労働省の指針を十分に満足しており、液状調味料および食用油の容器として問題なく使用できることを確認した。

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