子宮体癌術後の骨盤腔内リンパ漏が原因であった難治性胸水の一例

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  • A case of intractable plural effusion after surgery for uterine cancer due to intraoperative injury of lymphatic vessels in pelvic cavity

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抄録

<p>症例は64歳女性.子宮体癌で子宮全摘術+骨盤腔内リンパ節郭清を施行された.術後5日目に呼吸苦があり,胸部エックス線で右胸水貯留を認めた.胸腔穿刺では,白濁なし,リンパ球47.8%,Triglyceride 13 mg/dL,細胞診で悪性所見は認めなかった.術後10日目に胸腔ドレーンを挿入するも800 ml/dayの排液が持続した.術後の骨盤腔内からのリンパ漏で横隔膜交通症を介した右胸水を疑い,診断のため鼠径部へのインドシアニングリーン皮下注射とリンパ管シンチグラフィーを行った.術後28日目にリピオドールでリンパ管造影を施行後,排液が減り,胸腔ドレーンを抜去できた.患者は術後43日目に退院し,その後胸水貯留なく経過している.本症例は骨盤腔内リンパ節郭清によるリンパ漏が横隔膜交通症を介し右胸水貯留に至った症例と考えたが,乳び槽とリンパ管の合流部より下位のレベルでのリンパ管損傷であったため胸水は乳びを呈さなかったと推測した.</p>

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参考文献 (13)*注記

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