日本人におけるミューオピオイド受容体遺伝子多型とアルコール依存症の関連研究

  • 三上 麻里奈
    麻布大学大学院環境保健学研究科環境保健科学専攻生理学研究室
  • 金剛 左京
    麻布大学大学院環境保健学研究科環境保健科学専攻生理学研究室
  • 青木 理詠
    麻布大学大学院環境保健学研究科環境保健科学専攻生理学研究室
  • 川合 厚子
    社会医療法人公徳会トータルヘルスクリニック
  • 西澤 大輔
    公益財団法人東京都医学総合研究所依存性物質プロジェクト
  • 池田 和隆
    公益財団法人東京都医学総合研究所依存性物質プロジェクト
  • 小野澤 裕也
    麻布大学生命・環境科学部生理学研究室
  • 岩橋 和彦
    麻布大学大学院環境保健学研究科環境保健科学専攻生理学研究室 麻布大学生命・環境科学部生理学研究室 麻布大学健康管理センター

書誌事項

タイトル別名
  • Association between <i>mu opioid receptor</i> gene polymorphisms and alcohol dependence in a Japanese population
  • Association between mu opioid receptor gene polymorphisms and alcohol dependence in a Japanese population

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抄録

<p>アルコール依存症とは,飲酒の自制が困難となる薬物中毒であり,オピオイド受容体との関連が考えられている。μオピオイド受容体欠損マウスは,アルコール自己投与の減少とアルコールに対する嫌悪を示すことが確認されている。本研究では,μオピオイド受容体(OPRM1)遺伝子多型IVS2+691C/G,−172G/Tおよび −1748G/Aがアルコール依存形成に与える影響を調べるため,遺伝子型,アレルおよびマイナーアレル保持者別頻度,ハプロタイプ解析,連鎖不平衡解析を含めた検討を行った。なお,OPRM1遺伝子多型の影響についてより詳細に検討するため,アルコール感受性に関わる2型アルデヒド脱水素酵素遺伝子多型ALDH2 *1/*1を有する対象者に着目した解析も行った。アルコール依存症患者64人,コントロール75人を対象とした。遺伝子多型の解析には,制限酵素断片長多型法(PCR-RFLP)を用いた。解析の結果,患者群および健常者群間における遺伝子型,アレルおよびマイナーアレル保持者別,全てのハプロタイプ頻度において,有意な差異は認められなかった。今回の結果より,着目した3つのOPRM1遺伝子多型がアルコール依存症発症の危険因子となる可能性は低いことが示唆された。今後は,同遺伝子上の他の多型や,他のオピオイド受容体にも着目し,アルコール依存症との関与についてより詳細に検討する必要があると考えられる。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 71 (3), 424-430, 2022-07-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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