糖化温度が麹甘酒の糖化および食嗜好性に及ぼす影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Effect of saccharification temperature on constituent profile and palatability of <i>koji amazake </i>
抄録
<p>【目的】麹甘酒は,米と米麹を原料とする伝統的な食品である。米麹に含まれる酵素により米デンプンが糖化され,自然な甘みを呈する。麹甘酒は,飲み物として利用する他に,砂糖やみりんなどに代わる調味料としての活用も期待できる。麹甘酒は古くから親しまれている伝統的な飲み物であるが,糖化温度や時間などの調製条件は経験によるものが多い。また,糖化により各種成分がどのように変化するか殆ど報告がないのが現状である。そこで本研究では,糖化温度が麹甘酒の成分や食嗜好性に及ぼす影響について検討した。</p><p>【方法】米はうるち米(精白米)を用いた。米75gを蒸留水で5回すすぐように洗い,米の5倍量の蒸留水を加えて,常温にて30分間吸水させ,おかゆモードで炊飯した。炊飯後,炊いた粥全量を保温容器に入れ,滅菌水100mlを加えて撹拌し,全体の温度が60℃に低下したら米麹100gを入れて混ぜ合わせ,KAMOSICO(タニカ電機)に材料が入った容器を入れて60℃で8時間,保温した。各種成分について経時的に測定した。また,保温温度を4℃,25℃,50℃,55℃に変更して,糖化温度の影響を検討した。</p><p>【結果・考察】糖度,マルトース濃度,グルコース濃度は,60℃では時間の経過と共に増加した。60℃ではこれら成分は6時間でほぼ平衡に達したが,50℃と55℃は8時間まで有意に増加した。各種成分の濃度は,4℃と25℃は60℃より有意に低く,4℃が最も低かった。食嗜好性は,50〜60℃で調製した麹甘酒は,舌触りや風味,甘さ,飲みやすさについて「好ましい」という評価が得られた。4℃は,60℃と比べて,甘さや飲みやすさに対する評価が低かった。</p>
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 33 (0), 134-, 2022
日本調理科学会