富山県の家庭料理 地域の特徴

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Toyama Prefecture home cooking: local characteristics
  • Cooking that showcases nature's blessings
  • ー自然の恵みを生かした料理ー

抄録

<p>【目的】「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」の聞き書き調査を基に、富山県の家庭料理の特徴をまとめることを目的とした。</p><p>【方法】平成25年~28年を中心に富山県全域で行った聞書き調査及び文献調査により検討した。</p><p>【結果・考察】富山県は三方を急峻な山岳地地帯に囲まれ、年中豊かできれいな水に恵まれた地域である。富山県の家庭料理の特徴として、1)豊富な魚種から生まれた魚料理、2)米の生産を中心とした米や米粉文化、3)北前船の影響による昆布料理、4)保存野菜の活用があげられる。魚料理は、ぶり大根、ほたるいかの酢味噌和え、白えびのだしつゆ・かきあげ、たら汁などがある。刺身は一番のごちそうであり、魚のアラは汁物などにして魚一匹を余すことなく使用する。魚津では、ハレの料理として暮れの大漁の際に作るあんじゃなますがある。米と魚を使ったハレの行事や祭りの料理として、県東部ではさばやかわはぎなどを使ってつくる押せずし、射水ではしめさばを笹の葉に包んださばの押しずしが作られた。また、米・米粉のおやつとして、いもがいもち、やきつけ、かんもち、黒部では、清水で冷やして食べる水だんごが夏のおやつとして親しまれた。昆布料理は、昆布じめ、昆布巻き、まだらのこづけ、とろろ昆布おにぎりが県全域で食べられている。冬季には大根や人参などを雪の下に埋めたり、大根をたくあん漬け、糠漬けなどにして保存し、古漬けは塩出しをして、粕煮などにして無駄なく活用する。また、報恩講に使用する山菜は春にとれた一番良いものを乾燥や塩蔵をして秋まで保存する。県西部では、大根の葉やなすなどを用いたよごしがよく食されていた。自然の恵みを余すことなく利用する工夫や知恵が各地域の家庭料理に込められていた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390574754489044224
  • DOI
    10.11402/ajscs.33.0_193
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ