簡易炊飯による米飯のにおいに関する研究

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タイトル別名
  • Study on the smell of cooked rice in a simple rice cooking

抄録

<p>【目的】 近年,「単身世帯」の増加により,調理の簡略化や時短調理など社会生活での調理方式が変化してきている。主食である米の炊飯方法では,電子レンジ炊飯や簡易電気炊飯器などが利用されている。これら炊飯米のおいしさの一因として,においが関与している。本研究では,電子レンジおよび簡易炊飯器による炊飯時のにおいへの影響を明らかにすることを目的とし,米の品種の違いや試料米の新古の影響について検討を行った。</p><p>【方法】 試料は,2021年度産のヒノヒカリ,コシヒカリおよび4℃保存米 (2020年度産キヌヒカリ,ヒノヒカリ,コシヒカリ) を用いた。試料米に純水を加え,市販の「1合炊き用電子レンジ炊飯器」(スケーター製,UDGI),「おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器」(サンコー製,TKFCLBRC),「ミニクッカー」(パナソニック製,SR-MC03-w) を用いて炊飯を行った。米飯は冷却後に,におい識別装置 (島津製,FF-1A(FF-2A)) を用いてにおい分析を行い,比較検討を行った。試料米,白飯の色差測定は,測色色差計 (日本電色工業製,NE4000) により行った。</p><p>【結果・考察】 炊飯器具によるにおいの強さは,弁当箱炊飯が最も強く,次いで電子レンジ炊飯,ミニクッカーの順で弱くなった。品種間の比較では,キヌヒカリ,コシヒカリ,ヒノヒカリの順に,においが強くなることが確認された。米の搗精の違いで比較を行うと,ヒノヒカリおよびコシヒカリにおいて,「3分づき」でにおいが最も強かった。米の品種により,含有する成分やその割合が異なることから,品種によって適切な搗精度合いやその炊飯方法が異なることが考えられた。新古の比較では,匂いの質は変化しないが,においの強さは新米より古米の方が強い結果を示した。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390574754489138304
  • DOI
    10.11402/ajscs.33.0_36
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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