原卵開発におけるゆで卵を用いた官能評価方法の検討

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タイトル別名
  • Study of sensory evaluation method for eggs development using boiled egg

抄録

<p>【目的】給餌飼料の配合の違いが鶏卵の品質や嗜好性に影響することは、既に理化学特性の他、味覚センサーや官能評価等により明らかにされている。特に官能評価においては、日常で食べられる鶏卵の調理加工品に調製して評価するのが現実的である。本研究では給餌飼料を変えて開発した原卵の特性評価をする際、副材料の影響を受けないゆで卵を用い官能評価が可能かその方法を検討した。</p><p>【方法】数種の市販卵の中から、予備評価により類似した特徴を持つ2種の卵を選択した。これらを水から入れて沸騰後4分、6分、10分間ゆでた卵と、エッグスチーマー(小泉成器(株))を用いて温泉卵を調製し、本学の学生と教員のべ30名を被験者とした1対2点識別法により識別可能な試料を抽出した。給餌飼料の明確な3種[基礎飼料のみ,基礎飼料+プレミックス1%配合(フレーバ有りまたは無し);イセデリカ(株)]の品質特性を評価するため、言葉だしを経て評価項目(甘味、塩味、うま味、酸味、濃厚さ、味わいの強さ、複雑さ、味の持続性)を設定し、調理科学研究室員を対象に評点法による分析型官能評価を行った。</p><p>【結果・考察】1対2点識別試験より、沸騰後4分のゆで卵のみ有意に識別可能であったため、これを以降の官能評価試料の調製条件とした。評点法による評価では、基礎飼料にプレミックスを添加するとコク味に関連する味わいの強さや複雑さ、味の持続性が有意に強くなる傾向であった。しかし、フレーバー有無による差は製造ロットにより評価の難易度が異なった。飼料配合のわずかな相違の影響を評価するには、評価試料および評価項目の再検討に加え、鶏の個体差や生育環境の影響を統計的に排除可能であるか長期的に評価を継続する必要がある。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390574754489145344
  • DOI
    10.11402/ajscs.33.0_44
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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