畜産物の消費制限による環境および食料システムへの影響評価

書誌事項

タイトル別名
  • ASSESSMENT OF THE IMPACT OF RESTRICTED CONSUMPTION OF LIVESTOCK PRODUCTS ON ENVIRONMENT AND FOOD SYSTEMS

抄録

<p> GHG排出量削減取り組みの一つとして畜産物の消費抑制などの消費者による取組が報告されている.しかし,これまで畜産物の消費抑制による食料システムや土地利用への具体的な影響は評価されていない.本稿では畜産物の消費制限による環境および食料システムへの影響を明らかにすることを目的とする.具体的には,世界経済モデル(AIM/Hubモデル)を用いて,畜産物の消費制限による森林の炭素吸収量,GHG排出削減量,土地利用状況,窒素肥料投入量,水資源利用量を明らかにする.その結果,世界全体で畜産物の消費制限を行ったところ,2050年において世界のGHG排出量は約962MtCO2eq/年減少した.同時に,牧草地面積は約399Mha減少し,森林面積は約93Mha増加し,それに伴い二酸化炭素吸収量は約236MtCO2eq/年増加した.加えて,灌漑水量は200million m3/年減少し,窒素使用量は3百万トン窒素換算量減少した.これらのことから,畜産物の消費制限はGHGの排出量削減だけでなく,森林保全や水資源や窒素肥料削減など環境保全の観点でも便益があることが示された.</p>

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参考文献 (12)*注記

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